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勝手にしやがれHeyしすたー

勝手にしやがれHeyしすたー

キャシャーンがやらねば


   たった一つの命を捨てて、生まれ変わった不死身の体。

   鉄の悪魔を叩いて砕く。


キャシャーンがやらねば




   誰がやる!!!!!


   てなわけで、キャシャーンの話です。


   日記にも何度か書いたと思いますが、幼稚園児の頃の私は、母曰く、「キャシャーンに
   はまってた」そうで。

   キャシャーンがテレビに現れると、釘付け。

   キャシャーンのソフビ、大中小を持ち歩いてたそうですが、・・・そう、幼少の頃、母に
   「メカブトン(タイムボカンの)を買ってもらえなかった」という記憶があるんですが、
   これ、決して何も買ってもらえなかったのではなく、「メカブトン」より「キャシャーン」
   が良かったってことかもねえ。
   わざわざ大中小揃えるほどにさ。


   そんなに夢中になってたくせに、肝心のキャシャーンの内容を、全っ然覚えてなかった私
   なのです。

   一体どんな話だったんだろう・・・と思い続け、一昨年の年末辺り、ようやっと見る機会に
   巡り合えたのです。
   やふう無料動画で、やってたのだーー!!!
   (でもってその後、DVDも買ったしね)


   どきどきしながらまずオープニングを見て、


   ひいいいいいいいいいかっこえええええーーーーーー!!!!


   と、まずあまりのカッコ良さに(別に黄色くはない)悲鳴。

   昔のアニメ、特にタツノコ(個人的にひいき目あり)の映像って、本当にかっこいいんだ
   よねえ。

   うまく言えないけど、カット割というのか、動きにすごいセンスがあるのよ。
   絵柄古くても、本とに良いものは良いのだっ。

   と、大いに盛り上がった後に、本編見て、なんちゅうか・・・


   が・が・が・があああああああああああんんんんんっっっ!!!!!


   暗い。暗いよ。話の内容暗すぎ。

   特にあの、富野監督が、脚本や演出手がけた話はめちゃんこ暗い。

   い、一体キャシャーンのスタッフは、こんなお話全体から、悲壮感漂うものを、子供たちに
   見せて、一体どうするつもりだったのだっっ!!

   やっぱり時代かなあ。
   救いのなさとか、傷天に通ずるものがあるよ。

   キャシャーンを食い入るように見ていた、幼稚園児の私、一体何を考えてたのか?!

   こういうもの見てた子供が、まっすぐ育つはずないじゃあないですか。
   今考えると、小中学時代の私、随分ひねくれた思考してたよなぁ・・・なんでじゃろ?
   と思ってたけど、キャシャーンのせいだったのかっくわっっ!
   (おいおいおいおいおいおいおいおい)

   いやまあ、それは大嘘、言い過ぎです・・当時のスタッフさんたちごめんなさい。
   私、本当は、こんな素晴らしい作品を作ってくださって、感謝したいんですよ。
   本となんですよ。


   えーと、で、何話すんだっけ。(何書くんだっけ)

   まずはキャシャーンのお話をざっと説明。(今更だけど、説明下手)

   東博士が作った公害処理用ロボットBK-1が、なんと雷が落ちたショックで狂ってしまい、
   自らをブライキングボスと名乗り、ロボットたちを従えて、人類に反旗を翻す。

   人間に役に立つために作ったはずのアンドロイドが、人類を攻撃するという事態に、
   人間たちは揃って東バッシング。

   博士の息子、東鉄也は父のために、自ら新造人間となって、ブライキングボス率いる
   アンドロ軍団と、たった一人で戦う決意をする・・・。

   ――って、ええーっでも、一度新造人間になったら、二度と人間に戻れないって、
   父ちゃん言ってるよ!

   しかも何回かは、いやだめだ・・・と反対してた父ちゃん、なのに最後には、

   「鉄也! お前はキャシャーンとなるのだっっ!!」

   きゃ、キャシャーンって・・・一体どっから出たのだああ。
   ↑それについては、ずっと見ても分からなかった・・・。


   キャシャーンに科せられた運命はあまりにも過酷。

   たった一人で、わらわら出て来るアンドロ軍団と戦わなければならない。
   (ブライキングボスの下、流れ作業で、ロボットはどんどん生産され続けるのだ)

   ガッチャマンのように仲間がいるわけでもない。

   ある意味、キャシャーンよりずっと強いよ、というお供の犬ロボ、フレンダーはいるけど。

   これあれば、キャシャーンいらないんでないの?という、最強の武器MF銃を持つ、癒しの
   ヒロイン、鉄也の幼馴染ルナはいるけど。

   それだけいれば十分か(笑)


   でも、人類のために戦うキャシャーンが、アンドロイドであるため、人類から憎まれる
   存在という皮肉。

   ある時は、人間たちから石ぶつけられたりすることも。

   それどころか、お前ロボットなんだからと、道具扱いされ、犠牲になることを強要され
   ることもしばしば。

   正義の味方、ヒーローが、人間たちにそんな扱いされるなんて、子供にはきつい。


   キャシャーンに出て来る人間たちって利己的で、こんな人間たち、救う価値あるのか?
   もういいよ、キャシャーン、一体何のために戦ってるんだ?
   って悲壮な気持ちになってしまう。

   もちろん全部が全部じゃなくて、時折、一緒に戦ってくれる人や、純粋な子供も出て
   来るから、希望が持てるのかな。
   (同時に、嫌な大人に育てられたな・・・って子供もやっぱり出て来る)

   その匙加減が、絶妙なのかも。


   それに、人間たちに手酷い仕打ちをされて、孤高だからこそ、ロボットたちをばったばった
   となぎ倒す、キャシャーンの強さが際立つのかも。

   身一つで戦ってるから、ロボットたちの腕を引き千切ったり、くるくる空中回転したりの
   アクションシーンは、堪えられないカッコよさ。

   無敵の強さと思いきや、実は!キャシャーンは太陽エネルギーで動いており、エネルギー
   が切れると、戦うことはおろか、動けなくなっちゃうのだ。
   嘘みたいだけど、額の角(っていうのか?)で、太陽エネルギーを吸収。

   曇り・雨の日、激弱なキャシャーン。

   そんなキャシャーンの必殺技は、己のエネルギーすべてを使う「超破壊光線」。

   使った後は、ぴくりとも動けないから、諸刃の剣なのだ。

   直後アンドロ軍団は壊滅状態になって「引けー引けええええいいっ」ってなるけど、
   ルナもいなくて一人ぼっちだと、キャシャーン、瓦礫の山から、フレンダーに助け出され
   たり・・・哀愁を誘うよ。


   完全無欠じゃないのはキャシャーンの強さだけじゃなく、キャシャーン=鉄也自身も
   そうで、所謂、子供が見る話のヒーロー像とは違うのね。

   アンドロイドになってから、幼馴染のルナに再会した時、

   ルナ「鉄也さんっあなたは鉄也さんねっっ」

   と、言われた時も、人違いだ。そんな奴は知らない・・・とハードボイルド押し通す
   のかと思いきや、最後には結局、ルナを拠り所に求める。

   ルナに対しても、冷たい態度をとったり、甘えたりと、すごく不安定。


   幸せな家庭で暮らしていたはずなのに、すべてが崩れ去り、自ら悲壮な運命を選び・・・、
   人間たちのために戦っているのに、憎まれる。

   そんな中、心がささくれ立つのも無理からぬこと。
   それを話の中では、残酷なまでにリアルに表現するのね。上手く避けたりせずに。

   8話で、キャシャーンがある少女に、人間でないことを見抜かれてしまい、(またこの
   女の子も、自分の父親が、ブライキングボスに人質に取られてるせいで、MF銃を奪ったり
   と、なかなかやりおる)その少女が、ボスの豹ロボ、ワルガーターに襲われた時、

   (あの子が死ねば、新造人間の秘密を守れる・・・)

   そんな思いが一瞬よぎり、正義の味方が、女の子の命を見捨ててしまうのです。
   (キャシャーンの目を覚まさせたのは、ワルガーターに飛びかかって行ったフレンダー)


   そして、傑作の声が高い14話「キャシャーン無用の街」。

   街の人々の命を守るため、アンドロ軍団に無抵抗服従を決意する市長。

   その市長にキャシャーンは戦うように説得する。

   そんなことをすれば後悔すると言うキャシャーンに市長は、

   「君も戦い続けて後悔すればいい」

   うわーーーこんな状況下にいるキャシャーンに対して、なんてきつい一言。

   でもキャシャーンも、

   「分かりました。あなた方が苦しむ姿を、じっくり拝見させていただきましょう」

   なんて台詞を吐くんです。

   うわーーヒーローの台詞じゃないよ。


   この話は、本当に重たくて悲しくて、いい、悪い、好きだ嫌いだと、単純に言えない
   ところがあって、でもキャシャーンはそんなお話ばかりかもしれない。

   人間の命を取るか、人間の誇りを取るか、っていうのも、きっとテーマにあって、誇りの
   ために命を捨てる人も数多い。

   アンドロ軍団に、爆弾を積んだ車で特攻したり、そりゃ無駄死にだよ、死んだら何にも
   ならないよと思いつつ、

   「これで男として死んでいける」

   なんて台詞を言われると、あー私を含めた日本人は、誇りなんてものを忘れちゃってる
   よなぁ・・・この時代はまだ生きてたんだよね・・・なんて考えさせられる。
   (いい・悪いはともかくとして)


   話が逸れてしまったけれど、感情が不安定に揺れてるような、キャシャーン=鉄也は、
   その不安定さが、愛しくてたまらない様な気もするし、同時にあまりに赤裸々過ぎて、
   ちょっと受け入れられないような気もする。

   キャシャーンがやってる時、テレビにかじりついていた幼稚園児の私は、一体どう思って
   たんだろう?


   そしてキャシャーンとともに戦うルナ。

   ルナは健気で強い。

   最強の武器MF銃を持ってるとはいえ、アンドロ軍団と戦うっちゃうんだから、ちなみに
   避け方も尋常じゃありませんよ。

   通常の3倍どころの速さじゃないです。


   で、ルナとキャシャーンはけっこう恋人していて、2人のいちゃいちゃシーンもいいん
   ですわ。

   キャシャーンがルナに言う台詞で、

   「死ぬ時は一緒だぞ」

   という台詞があります。

   これはガッチャマンでケンもよく使いますが、彼はジュンに言うというよりは、リュウ
   にも使うし、全員にも使うし、それとは意味合いがやっぱり違うのよ。

   「死ぬも生きるも一緒だぞ」

   もあります。

   なんか、こういう恋人同士って書けたらいいなぁーなんて思っちゃいます。


   敵のブライキングボス。

   アンドロイドとは思えないほど、いい悪役っぷりです。

   彼の元に、命の保障や金欲しさに、人間を売るような人間が来たりすることが多々あり
   ますが、彼は利用した後、必ず殺します。

   「人間を裏切るお前は、必ず俺も裏切るだろう」

   他にもいろいろ痺れる台詞を吐き、悪役とはこうあって欲しいぞ!というような敵ボス。


   そしてああ最強フレンダー。

   めちゃめちゃ強いです。エネルギー切れもないし。

   空を駆け、フレンダージェットになったり、フレンダーマリンになったり、フレンダーカー
   になったり、フレンダータンクになったり。

   いったいどうゆう構造になってるんじゃ??!!


   尻尾がびよーーーーーーんと伸びて、穴におっこった人を助けることも出来ます。

   その上、犬らしさもあってかわゆいし。

   欲しいようううううううううううううううううううううううううう!!!!!



   (07・02・11)


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